チャリティ・アンバサダー鹿野 淳さんよりメッセージをいただきました

2020年10月19日

9月26日(土)に、RW♥3.9kmバーチャルランONE TOKYOランニングクリニックに参加された、
東京マラソン財団スポーツレガシー事業のチャリティ・アンバサダー、鹿野 淳さんよりメッセージをいただきました。
ランナーの皆さんにとっても、コロナ禍でランニングを楽しむためのヒントの一つとなれば幸いです。

いよいよランニングシーズンの始まりである秋となりました。
2020年という今年は、例年とは異なるーー例えばマスク着用だったり、実際の大会が開かれずにバーチャルの大会が積極的に開かれるという、かつてなかったスタイルで精一杯ランニングを楽しむ年になりました。

東京マラソン財団も9月26日(土)に、ONE TOKYO APPを利用しての3.9kmランニング大会を催し、500名以上の方々が参加して3.9km以上の距離を自分のペースで楽しく走りました。
ランニングというのはそもそも自分との闘いというか、自分の身体やコンディションと上手く付き合ってゆくためのものです。自分を強く持つために、自分がスッキリするために、自分自身のハードルを少しずつ伸ばしていくために、ランニングはとても有意義なものだと思います。ただ、我々人間は自分が誰よりも大切なのに、自分自身だけではなかなか生きられない矛盾を含んだ生き物で、「誰かがいるから自分がいる」とか「こういう物差しがあるから頑張れる」とか、そういった誰かや何かが必要なことを日々感じています。
そういう中でランニングアプリとかで他の人と自分のペースや距離を比べたり、一定の目標を定めたり、その目標も他の人のデータを見ながら変えたりしながらランニングを楽しんだり自分を高めることに気づけたのは、こういう大会が増えたコロナ禍だからこそなのかもしれません。

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9月26日はもう一つ、有明において「第2回ONE TOKYOランニングクリニック2020-21」が開催されました。こちらは4つのコースに分かれ、それぞれフォームの調整やウォーミングアップの方法、そして各種のペースのあり方などを実際にコースを安全に走りながらレクチャーを受けるものでした。

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私は当日、あえて自分のペース以上のコースである、「サブ3.5のペースで走るランナーを対象としたレクチャー」を受けさせていただきました。

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講師の先生もウルトラマラソンなどを体験されている、様々な知識を持たれている方で、一つ一つの動きやウォーミングアップに意味があることを丁寧かつ適切に生身で教えていただけるので、とても大切な機会となりました。
とても刺激になったのは、参加されたランナーの方とのコミュニケーションでした。
まず驚いたのは、講師の方からの「こういう世の中になって、大会もなかなか行えない中で、皆さんが日々走る距離は減りましたか? 増えましたか?」という質問に対するものでした。
この質問に対して多くの方は、「増えました」と答えたのです。もちろん、サブ3.5の方を対象としたコース特有のものかもしれません。しかし細かくお聞きすると、「大会がなくなった結果、毎日平均して走れるので、どうしても毎日の距離が増えちゃうんですよね」とか、「早く走ることとか、大会でタイムを目指すとかいうことがなくなった結果、いかに普通に長く走るかを追い求めている気がします」というお話をいただいたのです。実際に講師の方も「この質問をすると、自分の予想とは裏腹に、どうやら皆さん、コロナ禍だからこそ走る距離が増えている気がします」と仰ってくれました。

さらに何故サブ3.5ランナーになれたのですか? ということも数人にお聞きしました。一番印象的だったのは、「別に早く走ることに興味があったり、実際に早く走れる方でもなかったんです。ただ、走るときは1日に10キロは走ろうと決めたんです。で、その10キロに1時間以上かけるのが日々の生活の中で大変で、どうにかして時間を短縮したかったんです。なのでまず、1キロ5分半で走ろうと思い(そうすると10キロを55分間で走れます)、頑張りました。そうしたら何か景色みたいなものが変わって楽しくなったんです。その結果、もっともっとと思い、ここまで来ました。実際に10キロ走るのも50分間を切れるので、時間の短縮も進み、色々と便利なんですよ(笑)」というお答えでした。早く走りたい、というよりも目標を崩さず、日常の時間ペースも大事にしたかった結果、早く走れるようになったという声は、これからもっとタイムを縮めたい方々のヒントになるかもしれないと思い、あえて綴らせてもらいました。

クリニックではみんなキロ当たり4分45秒以上のペースで10キロを走り続け、僕は距離を追うごとに遠ざかってゆく、ランナー皆さんの立派なふくらはぎを眺めながら、「自分のペースも大事だけど、自分のペースを磨くことも生活のヒントとして案外楽しいことかもしれない」と、とても大切なことを学ばせてもらいました。

鹿野 淳(しかの あつし/東京マラソン財団 スポーツレガシー事業 チャリティ・アンバサダー)

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